ウマみんの競馬ブログ

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不屈の塊・キングヘイロー

こんにちは。

案の定、飽き性が発症してだいぶサボってしまいました。(GⅠレース無かったし…)

 

せっかくのウマブログなので、個人的に好きな馬の紹介をしていこうかなと。

 

第一弾は、この馬。

まずはカッコいいJRAのCMを見てみましょう。

 

https://m.youtube.com/watch?v=7PoNbuwP8ts

 

2000年、高松宮記念

その馬は、10度の敗北を超えて、血統を証明した。

敗れても、敗れても、敗れても、絶対に首を下げなかった。

緑のメンコ。不屈の塊。その馬の名は…

 

キングヘイロー

 

 

さて、このキングヘイローという馬、往年の競馬ファンなら誰しもが知っている、あるいは聞いたことがあるでしょう。

アニメ・ウマ娘にもいましたね。

 

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このキャラクターに見覚えのある方もいるでしょう。

さて、このキングヘイロー、実は日本競馬史でも稀に見る超良血統馬でした。(何でこんな馬が日本で走ってるの⁉︎と当時を知る人は思う程)

 

父のダンシングブレーヴは80年代欧州最強馬。そして母のグッバイヘイローアメリカでケンタッキーオークスなどを勝った名馬です。

まずは、父の話からいきましょう。

 

 

 

ダンシングブレーヴは、イギリスの競走馬で、アメリカ・フランス・イギリスで試合をし、10戦8勝と1980年代のヨーロッパ最強馬と謳われています。それを示すように世界の競走馬の格付けであるインターナショナルクラシフィケーション(現ワールド・サラブレッド・ランキング)では、141ポンド(140点中⁈)の史上最高レーティングがされている。

 

ダンシングブレーヴの持ち味であり、世界の人々を魅了したのがレース終盤の末脚。200mを10秒3で走り切った脚はまさに豪脚の一言。

 

その真価を発揮したレースを紹介しましょう。

それが、1986年10月5日にフランス・ロンシャンで開催された凱旋門賞です。

 

実際の映像がこちら

 

https://m.youtube.com/watch?v=f5XaH1F1eII

 

 

レース終盤。最後方にいたダンシングブレーヴは、カメラすら見離す位置取りから、尋常じゃない末脚で、他馬を一気に撫で斬りする。

その上で最後は1馬身半もの差をつけてフィニッシュした。欧州最強の名をほしいままにしたのも頷ける走り。

 

この後、ダンシングブレーヴは引退、種牡馬として良血を残す……と思いきや、悲劇が襲う。

 

種牡馬になって間も無く彼はマリー病という奇病を発症し、療養生活を余儀なくされる。一命を取り留めたものの、産駒が成績を残せなかったこともあり、馬主は彼に未来は無いと考えて、手離すことにした。

普通ならば買えるはずもない超が付く良馬。

だが、病気の事もあり買い手がつかなかったところに目をつけたのが、日本のJRAだった。

 

そして、数奇な運命を辿り、欧州の英雄は日本の種牡馬となる。

日本に来た後、ようやく彼の産駒が欧州のGⅠレースを制覇するようになったが時すでに遅く。ダンシングブレーヴはそこから日本の種牡馬として、GⅠ制覇する数々の産駒を輩出する。

その後、ダンシングブレーヴマリー病の再発により、この世を去るが、死に際は壮絶で脚を一度も折らず痛みに耐え、仁王立ちで絶命したという話もある。

 

 

……前置きが長くなったが、そんなダンシングブレーヴの子どもが今回の主役であるキングヘイローだ。

 

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1997年のデビュー時から最強馬の血を継ぐ馬として、注目されていた。

その期待に応えるように新馬戦、黄菊賞、そしてGⅢ東京スポーツ杯と勝ちを重ねていく。

 

……しかし、ここから彼の受難が始まる。

続く皐月賞トライアルの弥生賞では、セイウンスカイ、頭角を現し始めたスペシャルウィークに及ばず3着。

 

そして、若かりし福永祐一騎手とのコンビで迎えた日本ダービーでは、逃げの勝負に出るが、終盤に失速し、14着の大敗となった。

(ちなみに福永はこれが初ダービーで、そこから今年の日本ダービーにてワグネリアン騎乗で勝利するまで負け続けている。ようやく許された福永祐一……)

 

超良血統のはずが、これで終わるわけがない。

騎手を柴田善臣に変わり、信じて何度もGⅠレースに出るも、敗北、また敗北。

負けに負け続ける。調教師の坂口正大氏を始めキングヘイロー陣営は、それでもこの馬には力があると信じ続けた。

 

だが、勝てない。

宝塚記念安田記念有馬記念天皇賞………。

気づけばGⅠレースに10戦。いずれも今一歩届かない。

 

そして、もはやこれが最後と望みをかけた2000年の高松宮記念で、その時が訪れる。

 

どうぞノーカットで見てほしい。

 

https://m.youtube.com/watch?v=cb_8ZEDWylE&t=622s

 

 

 

 

 

 

 

まさに執念が掴んだ栄光。

何度負けても首を下げなかった。ようやく、自分の血統を証明してみせた。

そんな高松宮記念でのキングヘイローの末脚は、欧州を席巻したあの偉大な父・ダンシングブレーヴそのものに見えた。

 

キングヘイローはこの後、試合を重ねるものの、GⅠで再び勝つことはなく、引退する。

 

種牡馬として優秀な産駒を輩出し、その中のローレルゲレイロは父の同じく高松宮記念を制している。

 

 

何度負けても、何度負けても、諦めなかった。

緑のメンコがトレードマークのキングヘイロー

その戦いぶりは、今も私を魅了してやまない。

 

ここまで読んでくださった方は、もう一度最初に挙げたJRAのCMを見てほしい。

キングヘイロー、そしてダンシングブレーヴの軌跡が見えるはずだ。